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studio wani からのご報告


studio waniからのご報告

ここ数年、私たちはスタッフを2名抱えた4名体制で、

少しずつ規模を広げながら「studio wani」を手仕事のブランドとして育てていこうと考えていました。しかし、さまざまな出来事を経て、現在は再び二人だけの体制に戻りました。


新しく工房を建て、多くの時間と労力を注ぎ込み、まるで険しい山を登っているような日々が続いていました。


「この山を越えれば、きっとその先はなだらかな道が続いている」と信じて登っていましたが、いくつかの出来事をきっかけに気づいたのです。


この山は、私たちが登るべき山ではないと。


その方向は、私たちが本当に目指している場所とは少し違っていました。

量産と個人作家の狭間で、どちらともとれないあまりにも細い“中間の領域”

に立っていることに気づきました。


ブランドを広げるため「誰にでも作れるように簡略化すること」に意味はなく、

私たちの作品を特別なものにしているのは、それぞれの技術と感覚


——つまり、私たち自身なのだと。



そう気づいてから夫婦で話し合いを重ねました。


これからは他の誰かが作れる器ではなく、

自分たちだからこそ作れる「個性ある作品」を生み出していきたいと。


そのため、今後は「ユニット」としてではなく、

それぞれ独立した陶芸家として活動していくことにしました。


これまで夫婦で一緒に制作してきましたが、

お互いが作りたい器の方向性は少しずつ異なってきました。

だからこそ、無理にひとつの形にまとめるのではなく、

それぞれの個性を生かして活動していくことにしました。


これからは、土を練るところから窯焚きまで、

スタッフの手を借りず、すべて自分の手で行います。


時間がかかるようになるかもしれません。

けれど、その分だけ納得のいく作品が生まれるはずです。

そしてもうひとつ、私たちは「数を作ること」を目的にしたくないと思いました。


一つひとつの作品に丁寧に向き合い、

長く大切にしてもらえる器を作りたいのです。

同時に、陶芸を生業として続けていくために、制作だけでなく、

教えることや人と繋がることにも時間を使っていくことにしました。

世界中の人々と交流しながら、陶芸を通じたコミュニティを育てていきたいと思っています。


その思いから生まれたのが、「CROC」です。


CROC(Craft Residency of Ceramics Japan)は、

世界各地から集まった参加者が、波佐見のstudio waniに滞在し、

ろくろ成形や絵付けなどの日本の伝統的な陶芸技術を学びながら、

地域のやきもの文化に触れる三週間のレジデンスプログラムです。


私たちが培ってきた陶芸への理解や技術を共有し、

世界各地の陶芸家との出会いを通して、

自分たちもまた学び、成長していきたいと考えています。


これまで支えてくださった皆さま、

そしていつも応援してくださる皆さまに、

心から感謝申し上げます。


これから始まる新しいchapter(章)も、

どうぞ温かく見守っていただけたら嬉しいです。


studio wani

綿島ミリアム

綿島健一郎


 
 
 

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